- CD
トンチトリオ
雷と背骨
ハチドリレコード
- Cat No: CHIRO0728
- 2020-01-07
スティールパン奏者/シンガー、トンチのアルバム。オオルタイチ、U-zhaan他絵ゲストも奇才揃いの名作。歌と空間。遅れましたが入荷です!
闇の中に落とされた雫の音
一滴の響きは連なり、かすかな光となって広がっていく
まだぼんやりとした向こうの方、扉のようなものが見える
この先は?
トンチトリオは手招きをしている。さあ、行ってみよう。
<オオルタイチ>
いつか夢で見た遠くて近い南国の様な、ずっとそこに浮かんでいたくなる楽園の様な音の球たちが、やさしい雨みたいにふりそそいでいる。トンチトリオの音はとてつもなくいいことがやってくる前触れみたいだ
<HAMADARAKA>
トンチとわたしはものすごくよく会っていて、一緒にごはんをたべ、ゴロゴロし、散歩をし、買い物をし、どうでもいいことや、どうでもよくないことをしゃべりまくり、でもどこかでお互いの音楽を生み出すタイミングを、待っていたのだと思う。
奇しくも、同じ年にアルバムをリリースすることになったね。この作品ができるまでのストーリーを、近くで感じていたから、勝手ながら このアルバムも自分の子どものように 思うよ。
いつもまわりの誰かのことを大切にする人が、自分の想いを炸裂させている姿は、美しくて胸が震えます。
トンチ、おめでとう。
<児玉奈央>
大きな海の真ん中に
ポカンと浮かんだ小さな島
真っ白でフカフカの浜辺に漂うのは
誰かの優しい唄
水平線に沈む夕日を見ながら
きっと明日も穏やかな日が続きますようにと願い唄う人々
ずっと昔のいつかのぼくらは
きっとこんな風に暮らしていた
トンチの歌声を聴きながらそんなことを考えた
<川村亘平斎>
スティールパンに酵素風呂いれてプカプカ浮かんでいるような、、、
透明すぎる水晶から反射している光を全身で浴びているような、、、
天真爛漫な妖精が満面でケタケタと笑ってるような、、、
大きな胸板でゴツゴツの手で抱擁されているような、、、
誰もかれも赤ちゃんからおばあちゃんまで、笑みがこぼれてくるそんな曲がいっぱいで、ちょっと泣けてしまうくらい優しい音が詰まっている。気をつけないと、愛が溢れまくって踊り続けてしまうよ。
<ANTIBODIES Collective 東野祥子>
ベースの稲田さんが「トンチはシャーマンだ」とよく言っているのだけど、このアルバムを聴くとその意味がよく分かる。東京と宮古島を行き来する彼女はきっと色々な精霊と触れているのでしょう。各曲のゲストミュージシャンはまるで精霊、トンチはまさに精霊使い。
このアルバムを聴いていると湿った空気や生暖かい温度、どこまでも広がる夜空や光、色々な風景が見えて来る。音を聴いて水分を感じる。音を聴いて温度を感じる。音を聴いて映像が見える。聴き手の感受性をフルに引き出してくれる。これこそが音楽の力だ。これこそがトンチトリオだ。このアルバムを聴き終えた瞬間、何故だか宮沢賢治を読みたくなった。ほんとうに素晴らしいアルバムをありがとう!愛♡トンチトリオ
<DODDODO>
それが産業廃棄物から生まれた不屈の魂を象徴するような楽器だからなのか、スティールパンの音色には泣き笑いのような、さりげなくも深い優しさのような、ある意味矛盾した感情を湧き起こすものがある。トンチの歌はそんなスティールパンに反射して踊る太陽や月の光のようでもあって、その揺らめきをそっと支えるトリオの演奏がまた素晴らしい。気象変動の時代のヒーリング・ミュージック。大推薦!!!
<カジワラトシオ(BING)>
たゆたう心地よさ
第三の眼が開く こんな名作ありますか
共演できて嬉しいです!
「CDをリリースするから、タブラを叩いてくれ」との依頼とともに、僕に演奏してほしいという曲がトンチから送られてきた。そのあと宮古島で彼女と会う機会があったので、その音源について質問してみた。
「いい曲だね。で、あれをきちんと録り直した後、それを聞きながら僕が録音するって感じの流れでいいのかな」
「え、録り直せへんで? もしかしたら私の歌は差し替えるかもわからんけど、基本的にはあれがOKテイク」
「マジで?」
ちょっと聞いた限りでは、ICレコーダーかiPhoneのようなもので簡易的に録ったものとしか思えない、ノイズだらけの音質だ。
「あれでいいの?」
「ええやん。すごく気に入ってるで」とトンチは不思議そうに答える。
「うーん、なんか最近ローファイっぽい雰囲気とかにハマってるとか?」
「そんなつもりもないねんけどな」
「……少なくとも、ミックスはまだ全然してないんだよね。まったく広がりのないモノラルミックスになってるけど」
「だいたいの感じでミックスしといた、ってエンジニアの人は言ってた」
僕の耳か、もしくはイヤホンが壊れたのだろうか。そう思って他のアーティストの曲をいくつか聴いてみたが、どうやら耳も機械も正常のようだ。これでミックス済みなのだとしたら、本当にひどいエンジニアなのだろう。僕はトンチがかわいそうに思えてきた。
録音当日、僕はとても不安な気持ちでスタジオに向かった。トンチからは「タブラ2個くらいでリズムだけ叩いてくれたらいいから」と言われていたが、「僕が色々な音を出すことで広がりを作らない限り、絶対に曲は成立しない」との使命感に駆られ、大量の楽器を持ち込んだ。汗だくになりながら地下のスタジオへようやくタブラを下ろし切ったとき、嬉しそうに弁当を頬張るトンチから「あ、搬入とか手伝おうか?」と声をかけられた。もう終わったのでいいです、と答えた。
「彼が今回の録音を手がけている内田さん。すごくいい音で録ってくれるねんで」とエンジニアを紹介されたが「あー、あのひどいミックスの人か」と思ってしまった僕は、目もうまく合わせられなかった。
じゃあとりあえず一度聴いてみてから始めよう、という段取りになり「ロンゴロンゴ」がモニタースピーカーから流された。
あれ?と驚いた。素晴らしい録音だ。アコースティック楽器の鳴りが素直に集音され、バランスもかなり美しく取れている。
「これ、僕に送られてきてたのと全く違うんだけど」僕は自分のiPhoneに繋いだイヤホンをトンチへ渡した。
「え、嘘やろ? ……ホンマや。なんやろこれ、なんでこれを送ってしまったんやろ。デモのデモのデモみたいなひどい音源やな。ユザちゃんごめん、あはは」
これで本当にリリースする気なのか、と悩んでいた時間はなんだったのだろうか。そして、どうにかしなければとの思いから大量にタブラを持ち込んだ、あの体力も返して欲しい。
悔しいので、持っていったタブラは全て録音に使った。きっと内田さんが素敵にミックスしてくれるだろう。トンチが送る音源を間違えたせいで、内田さんへも謎の不信感を抱いてしまっていたことが申し訳ない。
頼むよ、トンチ。
<U-zhaan>
プロフィール
トンチトリオ
トンチの楽曲を軸に稲田誠とカメイナホコとなるべくアコースティックで弾んだり、絡んだりする3人組。
3人は他にも色々活動しています。
トンチ
http://tonchii.com/
スティールパン奏者、シンガーソングライター
主なバンド
◉トンチトリオ
◉滞空時間(http://taikuhjikang.com/)
小さい頃からピアノを習う。1998年にスティールパンに出会い、〝弾き語り〟というスタイルで活動を始める。
2005年、発祥国トリニダードトバゴのオーケストラに加入して1年間現地で演奏、ツアーを行う。帰国後ソロ活動を再開。
自身の楽曲を軸に稲田誠(コントラバス)とカメイナホコ(ピアノ、サックス、コーラスなど)とトンチトリオ結成。
その他様々なアーティストのサポートや共演(UA、知久寿焼(exたま)、ロケットマツ(パスカルズ)、オオルタイチetc.
楽曲提供などで活動中。
http://www.tonchii.com/
稲田誠
明石在住のベーシスト兼録音エンジニア兼農家。
自身のリーダーバンドであるブラジルやPAAPの他、参加バンド多数 : ケンスギサキトリオ/Gofishトリオ/DODDODO BAND/佐伯真有美&RA/トンチトリオ/井上智恵トリオ/オーロラ
http://www.rose.sannet.ne.jp/tana/
カメイナホコ
2002年頃から即興中心の活動を始める。参加バンドはウリチパン郡、三田村管打団?、トンチトリオ、moon face boys、グラタンカーニバル、カメアリエレクトリック、タートル山、など。ピアノ・シンセサイザー・クラリネット・ソプラノサックスなどを使って自由に演奏しています。
一滴の響きは連なり、かすかな光となって広がっていく
まだぼんやりとした向こうの方、扉のようなものが見える
この先は?
トンチトリオは手招きをしている。さあ、行ってみよう。
<オオルタイチ>
いつか夢で見た遠くて近い南国の様な、ずっとそこに浮かんでいたくなる楽園の様な音の球たちが、やさしい雨みたいにふりそそいでいる。トンチトリオの音はとてつもなくいいことがやってくる前触れみたいだ
<HAMADARAKA>
トンチとわたしはものすごくよく会っていて、一緒にごはんをたべ、ゴロゴロし、散歩をし、買い物をし、どうでもいいことや、どうでもよくないことをしゃべりまくり、でもどこかでお互いの音楽を生み出すタイミングを、待っていたのだと思う。
奇しくも、同じ年にアルバムをリリースすることになったね。この作品ができるまでのストーリーを、近くで感じていたから、勝手ながら このアルバムも自分の子どものように 思うよ。
いつもまわりの誰かのことを大切にする人が、自分の想いを炸裂させている姿は、美しくて胸が震えます。
トンチ、おめでとう。
<児玉奈央>
大きな海の真ん中に
ポカンと浮かんだ小さな島
真っ白でフカフカの浜辺に漂うのは
誰かの優しい唄
水平線に沈む夕日を見ながら
きっと明日も穏やかな日が続きますようにと願い唄う人々
ずっと昔のいつかのぼくらは
きっとこんな風に暮らしていた
トンチの歌声を聴きながらそんなことを考えた
<川村亘平斎>
スティールパンに酵素風呂いれてプカプカ浮かんでいるような、、、
透明すぎる水晶から反射している光を全身で浴びているような、、、
天真爛漫な妖精が満面でケタケタと笑ってるような、、、
大きな胸板でゴツゴツの手で抱擁されているような、、、
誰もかれも赤ちゃんからおばあちゃんまで、笑みがこぼれてくるそんな曲がいっぱいで、ちょっと泣けてしまうくらい優しい音が詰まっている。気をつけないと、愛が溢れまくって踊り続けてしまうよ。
<ANTIBODIES Collective 東野祥子>
ベースの稲田さんが「トンチはシャーマンだ」とよく言っているのだけど、このアルバムを聴くとその意味がよく分かる。東京と宮古島を行き来する彼女はきっと色々な精霊と触れているのでしょう。各曲のゲストミュージシャンはまるで精霊、トンチはまさに精霊使い。
このアルバムを聴いていると湿った空気や生暖かい温度、どこまでも広がる夜空や光、色々な風景が見えて来る。音を聴いて水分を感じる。音を聴いて温度を感じる。音を聴いて映像が見える。聴き手の感受性をフルに引き出してくれる。これこそが音楽の力だ。これこそがトンチトリオだ。このアルバムを聴き終えた瞬間、何故だか宮沢賢治を読みたくなった。ほんとうに素晴らしいアルバムをありがとう!愛♡トンチトリオ
<DODDODO>
それが産業廃棄物から生まれた不屈の魂を象徴するような楽器だからなのか、スティールパンの音色には泣き笑いのような、さりげなくも深い優しさのような、ある意味矛盾した感情を湧き起こすものがある。トンチの歌はそんなスティールパンに反射して踊る太陽や月の光のようでもあって、その揺らめきをそっと支えるトリオの演奏がまた素晴らしい。気象変動の時代のヒーリング・ミュージック。大推薦!!!
<カジワラトシオ(BING)>
たゆたう心地よさ
第三の眼が開く こんな名作ありますか
共演できて嬉しいです!
「CDをリリースするから、タブラを叩いてくれ」との依頼とともに、僕に演奏してほしいという曲がトンチから送られてきた。そのあと宮古島で彼女と会う機会があったので、その音源について質問してみた。
「いい曲だね。で、あれをきちんと録り直した後、それを聞きながら僕が録音するって感じの流れでいいのかな」
「え、録り直せへんで? もしかしたら私の歌は差し替えるかもわからんけど、基本的にはあれがOKテイク」
「マジで?」
ちょっと聞いた限りでは、ICレコーダーかiPhoneのようなもので簡易的に録ったものとしか思えない、ノイズだらけの音質だ。
「あれでいいの?」
「ええやん。すごく気に入ってるで」とトンチは不思議そうに答える。
「うーん、なんか最近ローファイっぽい雰囲気とかにハマってるとか?」
「そんなつもりもないねんけどな」
「……少なくとも、ミックスはまだ全然してないんだよね。まったく広がりのないモノラルミックスになってるけど」
「だいたいの感じでミックスしといた、ってエンジニアの人は言ってた」
僕の耳か、もしくはイヤホンが壊れたのだろうか。そう思って他のアーティストの曲をいくつか聴いてみたが、どうやら耳も機械も正常のようだ。これでミックス済みなのだとしたら、本当にひどいエンジニアなのだろう。僕はトンチがかわいそうに思えてきた。
録音当日、僕はとても不安な気持ちでスタジオに向かった。トンチからは「タブラ2個くらいでリズムだけ叩いてくれたらいいから」と言われていたが、「僕が色々な音を出すことで広がりを作らない限り、絶対に曲は成立しない」との使命感に駆られ、大量の楽器を持ち込んだ。汗だくになりながら地下のスタジオへようやくタブラを下ろし切ったとき、嬉しそうに弁当を頬張るトンチから「あ、搬入とか手伝おうか?」と声をかけられた。もう終わったのでいいです、と答えた。
「彼が今回の録音を手がけている内田さん。すごくいい音で録ってくれるねんで」とエンジニアを紹介されたが「あー、あのひどいミックスの人か」と思ってしまった僕は、目もうまく合わせられなかった。
じゃあとりあえず一度聴いてみてから始めよう、という段取りになり「ロンゴロンゴ」がモニタースピーカーから流された。
あれ?と驚いた。素晴らしい録音だ。アコースティック楽器の鳴りが素直に集音され、バランスもかなり美しく取れている。
「これ、僕に送られてきてたのと全く違うんだけど」僕は自分のiPhoneに繋いだイヤホンをトンチへ渡した。
「え、嘘やろ? ……ホンマや。なんやろこれ、なんでこれを送ってしまったんやろ。デモのデモのデモみたいなひどい音源やな。ユザちゃんごめん、あはは」
これで本当にリリースする気なのか、と悩んでいた時間はなんだったのだろうか。そして、どうにかしなければとの思いから大量にタブラを持ち込んだ、あの体力も返して欲しい。
悔しいので、持っていったタブラは全て録音に使った。きっと内田さんが素敵にミックスしてくれるだろう。トンチが送る音源を間違えたせいで、内田さんへも謎の不信感を抱いてしまっていたことが申し訳ない。
頼むよ、トンチ。
<U-zhaan>
プロフィール
トンチトリオ
トンチの楽曲を軸に稲田誠とカメイナホコとなるべくアコースティックで弾んだり、絡んだりする3人組。
3人は他にも色々活動しています。
トンチ
http://tonchii.com/
スティールパン奏者、シンガーソングライター
主なバンド
◉トンチトリオ
◉滞空時間(http://taikuhjikang.com/)
小さい頃からピアノを習う。1998年にスティールパンに出会い、〝弾き語り〟というスタイルで活動を始める。
2005年、発祥国トリニダードトバゴのオーケストラに加入して1年間現地で演奏、ツアーを行う。帰国後ソロ活動を再開。
自身の楽曲を軸に稲田誠(コントラバス)とカメイナホコ(ピアノ、サックス、コーラスなど)とトンチトリオ結成。
その他様々なアーティストのサポートや共演(UA、知久寿焼(exたま)、ロケットマツ(パスカルズ)、オオルタイチetc.
楽曲提供などで活動中。
http://www.tonchii.com/
稲田誠
明石在住のベーシスト兼録音エンジニア兼農家。
自身のリーダーバンドであるブラジルやPAAPの他、参加バンド多数 : ケンスギサキトリオ/Gofishトリオ/DODDODO BAND/佐伯真有美&RA/トンチトリオ/井上智恵トリオ/オーロラ
http://www.rose.sannet.ne.jp/tana/
カメイナホコ
2002年頃から即興中心の活動を始める。参加バンドはウリチパン郡、三田村管打団?、トンチトリオ、moon face boys、グラタンカーニバル、カメアリエレクトリック、タートル山、など。ピアノ・シンセサイザー・クラリネット・ソプラノサックスなどを使って自由に演奏しています。
滞空時間やオオルタイチといったドメスティックな異才たちから絶大な信頼を寄せられ、スティールパンのトロピカルな響きの上に不思議で凛々しい歌声を載せる独特のスタイルと溌剌としたキャラでシーンを渡り歩くトンチの19年作。稲田誠(bass, chorus)、カメイナホコ(piano, keyboard, s.sax, chorus)とのトリオの作品。台湾のブヌン族のフォルクローレを下地にした『ロンゴロンゴ』からもわかるように、どこかアジアの民謡のような、懐かしさを憶える"歌"のアルバム。この感じはなんだろなあと思ってたら、アルゼンチン諸作の魅力に近い。歌心と空間があって、仄かなサイケデリア。かと言って南米を意識した音楽には出せない不思議な訛りもあります。滲みでてしまう土着的な要素が今のいろいろな音楽ともシンクロしている、浮遊間も溢れてる素敵な小品と行った趣も。 (Shhhhh)