LE MAKEUP 微熱
〈EM RECORDS〉からLE MAKEUPの「微熱」フィジカル・リリース。入荷しています。現行の様々な音楽にアクセスして、吸収したトラックメイク、エレクトロニックニュージックのセンス、巧みさもさることながら、状況や感情に真っ直ぐに向き合い、視点と感覚、思考を深め、言葉を丹念に繋ぎアウトプットしていて、上手さとかじゃない魅力があります。音と言葉が描く物語、風景、世界。 (サイトウ)
「微熱」
この曲が出来たことでこのアルバムを完成させることができました。台風、雨季のバンコク、育った街・知らない土地の言葉やリズム、天王寺の風景の変化、自己愛、肌と肌、肌を伝う風...etc。アルバムのコンセプトに必要なものを実感できた最初の曲です。
このアルバムは僕にとって、2018年の大阪に台風が直撃した夏からコロナウイルスが世界中で猛威を振るう現在までの記録のようなもので、今挙げたような劇的な出来事に影響を受けながらも、日々自分が見ている誰でも見れる・見たことのあるような景色を歌ってます。
このアルバムを作った自分を誇りに思うし、それが聞いてくれる方々の毎日に寄り添うような、一人一人にとって特別な一枚になれれば嬉しいです。
(Le Makeup)
▼ Tracklisting
01. | Beginnings |
02. | Ray (album ver.) |
03. | 車窓から |
04. | 神様がいるなら |
05. | スポットライト (album ver.) |
06. | 明日 |
07. | Sit Down in Reflection |
08. | Feb21_2020 |
09. | Story of Us |
10. | 微熱 |
11. | Birthmark |
12. | Birthmark 2 |
13. | Body |
14. | この風 |
15. | Watcher |
16. | Marto |
17. | Apr20_2020 |
18. | 愛のしるし |
19. | 台風(CD bonus track) |
ル・メイクアップはエドワード・ヤン『クーリンチェ少年殺人事件』を卒論にした経歴を持つクリエイターで(それだけで信頼に足るものが)、音楽家としてはデジタル・ネイティブ。Ashida ParkやEternal Dragonzといったレーベルを通じて音楽を内外に配信し、ラッパー/シンガーへの楽曲提供やTVドラマの劇伴制作を行い、現在はシンガーのDove(ドーヴ)とレーベル、Pure Voyageを主催している。
『微熱』はジャム・シティーやフランク・オーシャンをどう消化するかというプロデューサー・シンガー達の同時代的命題を、槇原敬之や原田知世等々の曲のひとつひとつから得た技術的・フィーリング的な助けを借り、真正面から乗り越えようとした作品かもしれない(いや、すでに消化して進んでいる??)。ラップはしないが歌謡J-POPやナードなポップスに寄せるでもなく、かといってドレイクを真似るわけでもない、このようなD.I.Y.エレクトロニックのセルフ・プロデュースのヴォーカル曲に打ち込むプロデューサーは決して主流ではない。歌詞に同世代トラップ勢のようなスラングや身内用語は登場せず、拍子抜けするほど穏やかな(一見)普通の世界を歌う。『クーリンチェ少年殺人事件』を初めて観たときの抑えられない気持ちが続いているような作品集だ。
既出曲の「Ray」と「スポットライト」はアルバム様の別ヴァージョンで、CDのみのボーナス「台風」を追加した全19曲、46分のアルバム。装丁デザインはフランスのDossier De Songeが担当。
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