声とコーラス、ギター、リュート、コントラファゴット、ピッコロ、ハーモニウム、ロンメルポット、パーカッション等々、電気を通さない楽器で展開されていくリリカルなアヴァン・フォークといったサウンドが滅茶苦茶イイです。民族音楽やクラッシックのエッセンスを滲ませたある意味プログレッシブなアンサンブルの中で息づく美しく繊細なメロディがヴィヴィッドに響いてきます。音のフォルムはとても歪なのですが、不思議と音自体が華やいでいくような独特の空気感にも惹かれてしまいます。本作の軸とも言える歌とコーラスの良さを際立たせるようなコントラファゴットの低い響きもとても魅力的。アルバムタイトルの『Talamanca』は本作が録音されたカタルーニャの村の名前とのことです。唯一、教会で録音されたという中世的な仄暗い神秘性を帯びた長尺の曲「Jeu de des pipes」も必聴！ベルギーの小学生達と作詞したという楽曲を含む大充実の全11曲入り。柔らかくしなやかなストレンジ・フォークの大傑作。