• CD


Octogono

  • Cat No: RCIP-0308
  • 2021-12-17

多くの名作を生んできたアルゼンチン新世代フォルクローレ/コンテンポラリー音楽の歴史において、2020年のマイルストーンとして語り継がれるであろう内容と完成度を誇るアルバムの誕生。カルロス・アギーレ・グルーポの諸作やルス・デ・アグアの『ポエマス・デ・フアン・L・オルティス』、そしてアンドレス・ベエウサエルト『ドス・リオス』など、シーンを象徴する2000年代の名作たちと比肩しうる作品です。

2010年前後のコンテンポラリーフォルクローレの流れからの結晶。アギーレがテキストを寄せているところに日本盤制作の気合と愛を感じます。リスペクト。澄んだ空気のなかで流れる水に触れるようなこんな音楽。フォルクローレをエレクトリック・ダンス化の試みは多く紹介してますが、この流れはSSWよりのリスニング。さらに、アギーレの音楽に特徴的だったプログレッシヴなコード展開がまたきちんと密かに受け継がれており、そこがまた同じ曲の中でも違うレイヤーを与えサイケデリックな音像となり一部のダンス・ミュージック好きにも受け入れられるような小宇宙と深みを与えてます。受け継がれつつ進化してる。モノ・フォンタナからのアルゼンチン音楽の魔法の10年を支えたキーマン、Santiago Vazquezが参加というのも嬉しいですね。(Shhhhh)



ブエノスアイレスに続くアルゼンチン第二の都市で、歴史のある学術都市として文化的にも成熟と先進が同居する街として知られるコルドバ出身のシンガー・ソングライター/マルチ・プレイヤーのロドリゴ・カラソ。2016年『OIR E IR』以来、通算3作目となるアルバム『オクトゴノ』は、過去2枚のアルバムで培ってきた、河沿いの音楽の伝統的なリズムとシンガー・ソングライターとしてのポップなコンポジション、マルチ・インストゥルメンタリストとしての実験性を融合させるという彼ならではの創造性とセンスが大きく開花した作品です。
サンティアゴ・バスケスを始め多くのミュージシャンが参加し、多彩な楽器が使われながらもアコースティック&ミニマルなタッチで立体的にデザインされた音像空間、やさしく伸びやかで繊細なニュアンスを含んだボーカル、独特の揺らぎを生み出す多重録音スキャットやコーラス、効果的なエフェクト音を随所に配置したアレンジから曲全体の構成力まで、カラソの非凡なセンスが隅々まで宿り、この作品を特別なものにしています。

5月に配信先行リリースされるや多くのリスナーが絶賛しているこのアルバム。本作によってロドリゴ・カラソは今後のアルゼンチン音楽シーンを牽引する存在として大きく知られることになるでしょう。本国アルゼンチンに先駆けてリリースされる日本盤には、カルロス・アギーレがライナーノーツを特別寄稿してくれました。

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