LARAAJI Vision Songs
ワシントン・スクエア公園で演奏していたところをブライアン・イーノに発見され、1980年に〈Editions EG〉から「Ambient」シリーズの第3弾としてリリースされ他アンビエント史に名を刻むことになったLARAAJIの「Ambient 3
「ワシントン・スクエア公園で演奏していたところをBrian Enoに発見され、そのままEnoによるアンビエント・シリーズの3作目『Day of Radiance』(1980) へ起用されたことでその名が広まったLaraaji。トレードマークであるツィターの演奏を聴くとすぐさま瞑想空間がおとずれ、ピアノに触れればピタッと時を止めてしまう神がかった存在であり、近年のニューエイジ / アンビエントのあたらしい波をふまえて再評価というか新発見がすすむ唯一無二の人物。そんな神のここ最近の大きな衝撃が、Leaving Recordsが再発した『Om Namah Shivaya』(2016) 。”Laraajiが歌っている! しかもローファイでポップですごい!”
LaraajiのスピリチュアルなボーカルものといえばAudio Activeとのダブ名作『The Way Out Is The Way In』(1995) が有名ですが、今回の録音は1984年。何がすごいってこのユルいカシオ音ときらめく弦、渋くてセクシーな声にのった精神世界の言葉、そしてポコポコしたリズム。発掘されては僕たちを喜ばせつづける同80年代の宅録ポップやニューウェイヴの域を軽くこえた奇跡のよう。デモテープ感たっぷりにマイクへ大きく入った息さえも愛せてしまいます。過去にも同スタイルの曲「Vision Song Suite」がアンソロジー盤『Celestial Music 1978-2011』(2013) に収録されたりしていましたが、うれしいニュース。まだまだお宝はありました!
『Vision Songs Vol. 1』はもともと84年にリリースされ、限定100部のカセットという仕様でヨガ・リトリートやNYCのストリートにて販売していたとのこと。自室やヨガ合宿のスピリチュアルな寝室などでカシオのシンセと”交信”したことからつぎつぎと曲が降りてきたらしく、キャッチーな作曲者としての才能が開花。そこから12曲を収録しており、件の「Om Namah Shivaya」ショート版や「Vision Song Suite」も入ってます。ちなみに「Om Namah Shivaya」は、分娩室にいる生まれたばかりの赤ちゃんのために音楽を演奏してもらうよう、依頼されたことがきっかけでできたそう。
丁寧なライナーノーツは、同レーベルのA&R役やYoga Recordsの運営で知られ、ニューエイジ史を見事にとらえたあのVA『I Am The Center (Private Issue New Age Music In America, 1950-1990)』(2013) のプロデューサー、Douglas Mcgowanによるもの。Brian EnoからVisible Cloaksなアンビエント好きはもちろん、透き通ったニューウェイヴ伝説といえばAntenaやThe Durutti Columnに、同80年代のファンクやソウルのデモを発掘する鬼レーベルPPUのファンも大興奮まちがいなし!」
▼ Tracklisting
01. | Hare Jaya Jaya Rama I | |||
02. | Is This Clear? | |||
03. | Interlude I | |||
04. | Om Namah Shivaya | |||
05. | Today Is This Magic Quality | |||
06. | Great Bells in the Morning | |||
07. | Interlude II | |||
08. | Hare Jaya Jaya Rama II | |||
09. | All Of A Sudden | |||
10. | Om Tryumbacom | |||
11. | I Can Only Bliss Out (F’Days) | |||
12. | We Shall Be Lifted | |||