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Eiko Ishibashi + Hiroshi Minami
Gasping_Sighing_Sobbing
Some Fine Legacy - Cat No: SFR011
- updated:2026-10-23
石橋英子が、東京のジャズ・シーンで80年代から活動しアンビエントや電子音の実験にも取り組むピアニスト南博と共作し、2021年に配信のみでひっそり自主リリースしていた作品をドイツの老舗〈Some Fine Legacy〉がアナログ化!ビル・エヴァンスも思わせる繊細なピアノ・バラードを、シンセサイザーや声、短波ラジオのような断片で包みエディットし、ミックスにはジム・オルークも加わった夢見心地のアヴァンジャズ。さらに伊地知大輔のウッドベースも加わり、煙たいジャズバーの光景と誰かの記憶や夢が多重露光したような約40分の音の映画。ムルナウやマルケル、成瀬らの最良の一本を観ているような。(足立)
Track List

別の惑星の小川のほとりで、磁器でできた少女が空を見上げている。
ため息をつきながら。
なぜだかわからないけれど、自然のただなかにいるというのに、あたりには極めて高度な電波が飛び交っていて、少女が思い描くさまざまな思考を拾い集めている。
「いま歌っているこのメロディーは、肌触りのいい新しい布で仕立てた服をまとっているような気分。どこまでも広がる草原みたい。息をのむほど青い空を見上げているような感じ」
その惑星から発せられた電磁波が、未来のニューヨークで突如として受信された瞬間、私のグローブから星座が失われた。
そしてどういうわけか、夜の訪れは夜明け前へと置き換わり、空の色は、人間が忘れてしまった自然の、すすり泣くような神秘へと変わっていった。
私の大好きなリリ・ブーランジェは、東京タワーを眺めている。
こうしたすべてのただなかで、60年代のアポロ月面着陸の記憶、宇宙が果てしなく描き続ける未来主義、そして私の内側に息づくヨーロッパの空気がひとつに溶け合い、石橋さんの穏やかな夢を通して、音楽となる音が生まれた。
(訳文)
HIROSHI MINAMI