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Michael Baird And Friends
Thumbs On The Outside
Swp Records
- Cat No.: SWP-067
- 2023-12-25
SWPのマイケルによる素晴らしきお仕事。瓢箪の木琴とカリンバのデュオ、朴訥としたリズムの微妙なずれに呟くボーカルがまた遠くへ。あまり色々な曲を詰め込まないで一定のテンポをキープしたアルバムプロデュースも良く聴きやすい。アフロ・ミニマルの原風景か?取り憑いたように聴いてます。呪的チル。(Shhhhh)
ビクトリア瀑布に流れ込むザンベジ川のザンビア側に住まうレア族の老巨匠ミュージシャン2人の演奏を、ヒュー・トレイシーのアフリカ・フィールド・レコーディングの復刻音源でお馴染み、SWPのマイケル・ベアードが長年録り貯めた音源から構成されたアルバムです。現在のレア族の若者達は観光業で生きているため、彼らが亡くなってしまえばその音楽も絶滅に向かうとの思いから、録音を行い、また、そのドキュメンタリーをエンゲル・モルダーと共に制作、映画「Mutanuka and Syasiya」として完成もしているのですが、このアルバムは、その映画で聴ける演奏の全て収録されているそうです。他に、1996年、2010年、2014年の録音も収録されています。
主役となる2人のミュージシャンは、クリスピン・ムタヌカ(1931年生)が、瓢簞の共鳴が付いたシリンバ木琴を演奏し、もう1人のエドウィン・シャシヤ(1939年生)がカニンバ・メロフォンといわれる、ブリキの空き缶に乗っけた単板の親指ピアノを演奏します。木琴と親指ピアノというアフリカでも珍しい組み合わせでデュエット2曲と、それぞれのソロ曲を収録。どの曲もビビリ成分を含んだ音色で、現代のミニマル・ミュージックもビックリするほどに、インプロを交えながらアフリカ音楽特有のポリリズムの繰り返しの美学を聞かせてくれています。ただ、その奔放な演奏は、彼ら特有な美学に彩られ、聞くものを迷路に迷い込んだような錯覚に落とし入れてくれます。
なお、クリスピン・ムタヌカは、2019年6月に亡くなったそうです。
Track List
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「ワールドミュージック」でもなく、、、もちろんダンス・ミュージックやアンビエントの知識などはなさそうなご本人。ザンビア生まれでジャズの素養に、素朴な音遊び/ジャムですがアフリカ音楽の音色が染み付き、リズムが染み込み過ぎている?せいかこうなってしまうのか。。なんとなく00年代アルゼンチンものを最初に聴いた謎オーガニック、時空歪みを思いだします。これは一体?バレアリック的かと問われてもスペイン語圏の情感はないし、やはり根っこはアフロ・ミニマリズムなんでしょうかね。別段ドラッギーではないのに、トリップ機能は万全。なかなかここまで不思議な音楽はない。。DJの皆さんはチャレンジしてみましょう。試聴録ってるうちにまた意味わからなくなる。面白い。。 (Shhhhh)