CD Recommended =New Release David Dunn Angels and Insects(天使と昆虫) EM Records Cat No.: EMC-021 2022-12-22 Format CD2970 JPY Wishlist BuyCD Sample1 Sample2 Sample3 Em Recocdsの実験音楽ライン。デイヴィッド・ダンの1992年の『天使と昆虫』。 ポスト・ケージ世代にあたるアメリカの作曲家/サウンドアーティストのデヴィッド・ダンは、音響生態学・生物音響学の第一人者で、ICCでの展覧会「サイレント・ダイアローグ」(2007)でもレクチャーを行ったその筋の最先端。そんなダンのCDデビュー作『天使と昆虫』(1992)は、超自然的な天界の天使の名前と、自然界の水中に棲む昆虫という、二つの極端な世界とのコミュニケーションに焦点を当てた驚くべき包括的なアルバムである。同時に、彼が取り組んでいる音を媒介にした自然環境・社会環境と生命体の相互作用、そのポスト・サウンドスケープの方向性もしっかり提示されている。(これを「環境音楽」と勘違いすれば100% クレーム返品!)収録作のひとつ「49の善き天使の表」は、ルネサンス期の数学者・占星術師ジョン・ディーと霊媒エドワード・ケリーの神秘的な調査に基づく、コンピュータ処理された声のための作品。400 年前、天使の言葉というふれこみでディー博士が発明した「エノク語」をテキストにし、天使(=エイリアン)の声の音響化を試みたオカルティックな実験作で、まるで魔方陣の上で空間が裂け、声が漏れてくるかのような怪しさとカッコ良さは悶絶必至!もう一方の「混沌と池の創発的な精神」は、水辺に棲む昆虫が発する、人間が耳にすることのできないマイクロ音をデジタルフィールド録音し、人間界での可聴音に調整して提示されたオーディオコラージュ作品。ここでも音を媒介にした異界と人間の接近遭遇が図られるが、昆虫(=エイリアン)がコミュニケーションする音は「人間が作り出したほとんどの音楽よりも複雑な順序で構成されているかのような」(解説より)凄まじいもので、それを前に人間のなす術はない。ダンの転機となる重要作でもある。 Track List 1. Tabula Angelorum Bonorum 49 (49の善き天使の表) Segment I 04:06 2. Tabula Angelorum Bonorum 49 (49の善き天使の表) Segment II 04:05 3. Tabula Angelorum Bonorum 49 (49の善き天使の表) Segment III 04:07 4. Tabula Angelorum Bonorum 49 (49の善き天使の表) Segment IV 04:00 5. Tabula Angelorum Bonorum 49 (49の善き天使の表) Segment V 04:02 6. Tabula Angelorum Bonorum 49 (49の善き天使の表) Segment VI 04:04 7. Tabula Angelorum Bonorum 49 (49の善き天使の表) Segment VII 04:12 8. Chaos and the Emergent Mind of the Pond (混沌と池の創発的な精神) 24:18 #EM Records#EXPERIMENTAL
ポスト・ケージ世代にあたるアメリカの作曲家/サウンドアーティストのデヴィッド・ダンは、音響生態学・生物音響学の第一人者で、ICCでの展覧会「サイレント・ダイアローグ」(2007)でもレクチャーを行ったその筋の最先端。そんなダンのCDデビュー作『天使と昆虫』(1992)は、超自然的な天界の天使の名前と、自然界の水中に棲む昆虫という、二つの極端な世界とのコミュニケーションに焦点を当てた驚くべき包括的なアルバムである。同時に、彼が取り組んでいる音を媒介にした自然環境・社会環境と生命体の相互作用、そのポスト・サウンドスケープの方向性もしっかり提示されている。(これを「環境音楽」と勘違いすれば100% クレーム返品!)
収録作のひとつ「49の善き天使の表」は、ルネサンス期の数学者・占星術師ジョン・ディーと霊媒エドワード・ケリーの神秘的な調査に基づく、コンピュータ処理された声のための作品。400 年前、天使の言葉というふれこみでディー博士が発明した「エノク語」をテキストにし、天使(=エイリアン)の声の音響化を試みたオカルティックな実験作で、まるで魔方陣の上で空間が裂け、声が漏れてくるかのような怪しさとカッコ良さは悶絶必至!
もう一方の「混沌と池の創発的な精神」は、水辺に棲む昆虫が発する、人間が耳にすることのできないマイクロ音をデジタルフィールド録音し、人間界での可聴音に調整して提示されたオーディオコラージュ作品。ここでも音を媒介にした異界と人間の接近遭遇が図られるが、昆虫(=エイリアン)がコミュニケーションする音は「人間が作り出したほとんどの音楽よりも複雑な順序で構成されているかのような」(解説より)凄まじいもので、それを前に人間のなす術はない。ダンの転機となる重要作でもある。