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ヘンリー川原
電脳的反抗と絶頂:エッセンシャル・ヘンリー川原
Em Records
- Cat No.: EM1197TCD
- 2025-10-01
本作はアールヴィヴァン(西武)運営のスペースで高橋悠治が企画したイベント「池袋電脳カフェ」のために制作された幻のカセットの復刻である。これは高橋悠治と藤枝守のマック(*1)を用いたコンピューターシステムの共演で、柴田南雄宅で櫻井卓の手により録音。揺るぎない信念のもと、高橋がマックでコントロールしたサンプリング音源と、藤枝がMAXで操作した音響システムとFM音源(*2)が交錯する意味不明の音塊が収録された。当時のパンフレットに高橋が寄せた言葉 「日常のゆらめく時間のなかに暗い電脳空間の半透明な座標軸が陽炎のように見え隠れする」 は、彼がサイバーオカルト的なものに憑かれていた可能性を示し、また、当時の雑誌取材で 「来なかった人も重要。自分はそこにいなかったけれども、何かが起こっていたらしい、と後で知る。そのイメージから全然別のものが出てくる可能性がある」 と語ったのは予言だったのか。理性が基根をなす現代音楽と怪しい電脳オカルト的世界が交錯したのはごく短い期間であり、本作はその<残してはいけなかったかもしれないもの>を記録した裏歴史資料である。 解説は日本の電子音楽の泰斗、川崎弘二。
Track List
本作はアールヴィヴァン(西武)運営のスペースで高橋悠治が企画したイベント「池袋電脳カフェ」のために制作された幻のカセットの復刻である。これは高橋悠治と藤枝守のマック(*1)を用いたコンピューターシステムの共演で、柴田南雄宅で櫻井卓の手により録音。揺るぎない信念のもと、高橋がマックでコントロールしたサンプリング音源と、藤枝がMAXで操作した音響システムとFM音源(*2)が交錯する意味不明の音塊が収録された。当時のパンフレットに高橋が寄せた言葉 「日常のゆらめく時間のなかに暗い電脳空間の半透明な座標軸が陽炎のように見え隠れする」 は、彼がサイバーオカルト的なものに憑かれていた可能性を示し、また、当時の雑誌取材で 「来なかった人も重要。自分はそこにいなかったけれども、何かが起こっていたらしい、と後で知る。そのイメージから全然別のものが出てくる可能性がある」 と語ったのは予言だったのか。理性が基根をなす現代音楽と怪しい電脳オカルト的世界が交錯したのはごく短い期間であり、本作はその<残してはいけなかったかもしれないもの>を記録した裏歴史資料である。 解説は日本の電子音楽の泰斗、川崎弘二。
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「ホーム・ビフォア・ダーク」はエム・レコードの再発で知った大好きな曲。この曲を、大好きなバンドゑでぃまぁこんがカバーしたら最高だろうな、と思っていたらやはり最高!夢が叶いました。」(坂本慎太郎)
ノラ・ガスリーのたった1枚のシングル「Emily’s Illness c/w Home BeforeDark」(1967年)は、2009年の復刻リリース以来、マニアの秘匿曲を越えて内外に拡がりました。当初は、19世紀アール・ヌーヴォー的耽美をビーチボーイズ『Pet Sounds』風のサウンドで綴った美しい奇曲「Emily’s Ilness」推しだったのですが(※1)、しだいにB面曲「ホーム・ビフォア・ダーク」がミュージシャン達を魅了しはじめ(※2)、伝えられるところではエゴラッピン、ティーンネイジ・ファンクラブ、テニスコーツ & yumboがライブで取り上げて流布していった模様。しかし、まさかこのような予想もしない素晴らしい録音に出会えるとは!!本作は、もともと坂本慎太郎の発案で、ゑでぃまぁこんバンドでプライヴェート録音したもの(同氏の「P」審美眼にリスペクト)。公開目的ではなかったこの隠密録音の噂がエムに届き、長きにわたる円(縁)のループが繋がったような作品をお届けすることになりました。装丁画はゑでゐ鼓雨磨。
=カップリング曲秘話=
カップリング曲の制作は元曲を知らないトルソに打診し、ゑでぃまぁこん版のヴォーカルと旋律楽器パートを抜いたベーシックトラックを渡して、ほとんど目隠し状態でのリコンポジションを依頼(制作中はググり禁止)。当初はシンプルにOrieとKenjiの演奏を被せた合奏で……という趣旨でしたが、この無茶な実験要求に応えたトルソは、最終的にベーシックトラックをも抜きとった叛逆的かつ優雅なリコンポジションを送りつけてきて、このオリジナル曲の出来栄えに一同平伏!
注釈:
1)「Emily’s Illness」は、19世紀アメリカの詩人、エミリー・ディキンソンへのトリビュートと思われる。
2)ガスリーと作者エリック・アイズナーは当時アストラッド・ジルベルトの大ファンだった。初期アストラッドのたどたどしいボサノヴァ歌唱とノラの歌う「Home Before Dark」を頭の中でダブらせて再生してみてほしい。
=作品仕様=
+ 3 面折り込みジャケット
+ 歌詞掲載
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ウディー・ガスリーの実娘ノーラがひっそりリリースしたウルトラレアにして奇跡の一枚。(サイトウ)
アメリカのフォーク・ミュージシャン、ウディ・ガスリーの娘で、SSWのアーロ・ガスリーの妹、また、著名なイディッシュ語詩人アリーザ・グリーンブラットの孫娘であるノラ・ガスリーが、1967年、17歳で発表した唯一の、そして宝物のようなシングル。「Emily’s Illness」は、19世紀アール・ヌーヴォー的耽美をビーチボーイズ『Pet Sounds』のような音像で綴った美しい奇曲で、更にサイケデリアとアシッドフォーク感覚も併存する奇跡の曲として聴き継がれる傑作。 「Emily’s Illness」は19世紀の詩人エミリー・ディキンソンへあてたオマージュと思われ、装丁に使ったノラの当時の写真もディキンソンの時代世界を想起させる。この曲を書いた当時18歳のエリック・アイズナーは、彼女のボーイフレンドで、フィフス・アヴェニュー・バンドの前身となるストレンジャーズというバンドでピーター・ゴールウェイと一緒に活動していた。エリックとノラは当時ボサノヴァとその歌い手のアストラッド・ジルベルトに夢中で、本作の両曲にその影響を聞き取ることができるが、何よりも歌手として全くの素人だったノラを歌わせたことで別のミラクルが発生。録音面では職業音楽家のアーティー・シュロックが印象的なハープシコードや弦楽器を入れてメランコリックな世界を演出した。(なお、その後エリック・アイズナーがハウディームーンに提供した「Nora Lee」とはノラ・ガスリーのこと。)
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名盤『No Broken Hearts on the Factory Floor』(2015年) 以後、Rezzettでの活動に専念していたTapesが紆余曲折をへて発表したチューンそれが「Summer Jam」(2020年)。近未来的ディストピア感が覆う世の中であえてメジャー・コードのみの作曲に挑戦したこの曲は異質ですらある幸福感を放つが、それは(イージーな)ダークムードに対する彼一流の批評的態度だ。Rezzett作品のヨジれてヒネくれた電子的表現(<これも最高)に慣れた耳なら戸惑うような白玉コードを多用した曲で、二度訪れるブレイクの瞬間、忘れかけていた音楽のミラクルに遭遇するだろう。メロディアスでポップながらイージーリスニングにならないのはベース ミュージックを追求してきた手腕による。エレクトロニック・ ミュージックが複雑なアートフォームに発展すればするほど置き去りにせざるを得ない<プライマルな何か>を問いかける、ほがらかでシリアスな問題作だ。
2025年版のカップリングは、盟友7FOとの伝説的な2019年のライブ・セッションを収録。7FOの日本人丸出しの最高ロウテく・ギターソロをフィーチャーし「Summer Jam」は喜びの中に完結する!
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大阪が誇る大天才ALTZと、こだわりの名レーベルEM RECORDS。こんな、いっけん異色な両者がコラヴォレーション!EM RECORDSが再発した70年代のアメリカの問題児ROLAND P. YOUNG が生み出した怪作「Isophonic Boogie Woogie」をALTZが再構築!千住くんのドラムやKENSEIさんもフィーチャリングして、全力で応えたALTZの力作。EM RECORDSも自信たっぷりに送り出す一枚です。ライブでも披露してましたがこれはちょっと凄いですよ! (サイトウ)
スペイン産バレアリックサウンドのキーワードの一つでもあるJAVIER BERGIAも在籍していたFINIS AFRICAE。1990年にリリースされたアルバム「Amazonia」。フィールドレコーディングも使用したエキゾチック、想像的なサウンド! (サイトウ)
今の時代とても貴重なファンシー感。サイモン&ガーファンクルにインスパイアされたよう純情ソング。ギリシャの80sインディー。打ち込みのビートが入ってくるのもミソです。B-SIDEの「The Thousand Guitars Of St. Dominiques」正教的哀愁の多幸感ネオ・アコ。ネオ・アコ版「Love Is The Message」。 (サイトウ)
友人DON'T DJフローリアン同様、ミニマルでねじれたリズム、時間の感覚。アナログで圧縮された音響、質感の快楽的な音色で繰り広げらる。GOATでも披露していたようなピグミー音楽、アフリカンミニマルに影響されたような路線も。数列や根本原理に起因するようなエキサイティングな今の感覚のエンターテイメントを提示している!YPYのテクノです。NAZE(contact Gonzo)のアートワークも謎にナイスです。 (サイトウ)
7FOの待望の新作は、京都在住、VAPOURWAVE以降な次世代SSWのユニークな個性NTsKiをフィーチャリングして、ブレンダ・レイの「D'Ya Hear Me!」のカバー!。7FOらしい独特なダブ感覚とNTsKiのボーカル、二人のミスティックが交錯した傑作カバー。是非!リミックスにはPART2STYLEから派生したDJ 1TA-RAWとE-MURAのBIM-ONEプロダクションと、〈ORANGE MILK〉や〈Where to now?〉等でリリースする東京の才能CVNのリミックス!ベストセレクション、ベストリターン。どちらも素晴らしい世界。 (サイトウ)
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ロンドンと大阪、レゲエをベースにアナログでLOW-FIなユニークなサウンドを産み出してた両者がセッションし、評判を呼んだTAPES & 7FO。レゲエ、ダンスホール大好きだけどカシオやカセット使いながら独自なことやり続け、様々なコラヴォレーション、REZETTでも独自の電子音楽を産み出し注目されてきたTAPESと、ダブ、ニューエイジや細野なんかのDNAを受け継ぎながらユニーク音楽を産み出してきた7FOの根底の相性の良さ。どこまでも真ん中じゃない、はぐれダンスホール、はぐれ電子音楽、面白い音楽が展開されています。 (サイトウ)
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細野の観光音楽にも、つうじるような90sのレトロ・デジタルなサウンドと、エスニック・アンビエントフロー、サウンドトリップ、ユニークな一曲が7インチリリース。メタリックシルバーなジャケット、アートワーク。光ってます。 (サイトウ)
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「サーフ・シンセ・アシッド・ダンスホール・ロック!!」(©Tapes)
電子音楽家、7FOの新曲はこれまでのイメージを更新するド変ポップな一曲でかつシングル・オンリー。まるで温泉でのぼせた寺内タケシをサイバー幻聴してしまったかのようです。
「謎のDIY音楽家になった気分」(気分でなく実際そう)で臨んだという新曲「ヒーリング剣」は、7インチポップス時代とジョー・ミークへのオマージュとして、7FO史上初めてシングル・フォーマット用に制作したもの。しかし、7FOがそのままジョー・ミークになろうはずはなく、その意気込みは温泉の湯気のように霧散して湯上りRGMサウンドに凝結、、、この曲を聞いたジャクソン・ベイリー (Tapes/Rezette) は「Surf synth acid dancehall rock!!」とのけぞった。
カップリングの「蛇 」は一発録りのモノラル・ロウファイひと筆書きチューンで、定評ある7FOのライブ演奏が堪能できます。
アートワークはジャンボカゾク(撮影・デザイン:たけむら千夏、装丁:山尾圭介)が担当。
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『エア・フロム・エア』は、人間の声の詩、言葉によって伝えられる精神、心、魂といった精妙なものを、現代の電子音楽技術の魔術的な仲介によって変化させ、強化し、抱擁する。この特異なパートナーシップは、ドーヴが呼吸するように発する言葉が、音節ごとに、またはフレーズごとに、修正され、拡大され、揺り動かされ、祝福されるオーディオ詩のコレクションである。ジョージアはドーヴの声を思慮深く強調し、電子回路のエーテルを通して呼吸と空気を変化させ、意味を解体しながらも、逆説的に言葉と音楽の両方の新しい意味を明らかにする。日本語を理解するリスナーは、これらの雰囲気の中に意味の雲や星座を見出すだろうし、ドーヴの母国語を理解しないとしても同じ雰囲気の中に純粋な音節音響の喜びを見出すだろう。現代音楽のパイオニアたちが電子音楽やサウンドアートにおける人間の声の可能性を追求した試みの、まったく新しい延長線上にある作品と受け止める者もいるだろうが、『エア・フロム・エア』はむしろ現代のベース・ミュージックやその他の分野にまで拡張された、まだ名付けがたい音楽の未踏の領域への進出となるかもしれない。LP版はDLカード付き、ディスクはBioVinyl使用。
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1994年に川原自身のレーベル、HMDから自主リリースされたショウイン・プロジェクトは、上海出身の歌手、ショウ・イン・ウーとサイバーオカルト音楽の巨匠、ヘンリー川原が組んだデュオで、川原の信頼した作家、沖啓介がサポート参加。川原がプロデュースを担当し、ギター、キーボード、プログラミングを彼の手で行って、浮遊感があり幽玄な雰囲気をもつウーのヴォーカルを引き立てている。歌詞を除き作品のほとんどを川原が編曲し、アルバム用に書き下した曲、過去に発表した川原のソロ作品の再編版、マンダリンポップ名曲のカヴァーを収録。近未来SFの国際的なアジアを思わせるような、サイバーオカルト的な感覚をもつ楽曲はSNSの時代にアジア圏で交流しているアーティスト達の感覚を予見していたかのよう。 (サイトウ)
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本作は17世紀から20世紀にわたる37の俳句のテキストを愛情をこめて取り上げたもので、長い歴史を持つ日本の文学形式を敬愛し、これらの短い詩句を音楽芸術の領域に持ち込み、音の相互関係の拡張されたネットワークの中に据えています。演奏ではホジキンソン自身のクラリネットをはじめフレンチ・ホルン、ヴィオラ、ヴァイオリン、チェロ、アコースティック・ギターが用いられ、鮮明に録音された音源が使用されています。声と楽器の音は詩的なイメージと融合し、それぞれが光を投げかけ、影を落とし、隠された意味を明らかにし、作品の総体と共鳴し合います。作曲においてホジキンソンが選択した音楽語法は、俳句の本歌取りや取り合わせといったレトリック、連歌師の手法にみる多様かつ急激な世界展開に照応した幅の広さを持っています。また、俳句の日本語と英語訳がさらなる意味、共鳴、コミュニケーションの層を提供します。その英語訳の俳句をホジキンソンに送った英の詩人ハリー・ギロニスとの交流がこのプロジェクトを始めるきっかけとなりました。本作はホジキンソンやカムラがこれまでに成し遂げてきたものとは明らかに異なる、無比の作品です。『Haiku In The Wide World』の成り立ちを綴ったホジキンソンの解説も必読です。CD版、2枚組LP版ともに同内容。日本盤仕様ジャケット。
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スティルイチミヤ総員をフィーチャーした渾身の熱いマイク回しだが、よく考えると何も言ってないという偉大なポッセカット、それが「ソムタム侍」。今回、ただでさえ意味不明のこのパーティーチューンに、地元タイ勢よりも正統的なピンプラユック・バンドを目指す熱い日本人青年団 Monaural mini plug(モノラル・ミニプラグ)が参加し、ますます妙な方向に成長した極限デコトラ状態2568年ヴァージョンが完成(※2568はタイ仏暦)。そしてその後ろには、我々によって10年以上にわたり無理矢理タイ音楽を聞かされ続けた信頼篤いエンジニアでミュージシャン、Ruv Bytesこと倉谷拓人による大改造ズブズブヘヴィーDUBヴァージョンを接続し、A面でもうお腹いっぱい、、、
しかし今回はそれで終わらない!!B面にはJUU4Eの3rdアルバム『イズ』からの唯一のVINYL版カットとなる「Budsaba」と「One Cup Sake」を収録。さらに仕上げに『ニュー・ルークトゥン』収録のアルバム版オリジナル「ソムタム侍」の2025年最新リマスター、未発表だった同曲のインストとアカペラを足した全部盛り仕様!スティルイチミヤのMMMが参加者を見たまま実物通りリアルに描画したアートワークに包んでお届けします。
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EM RECORDSからイサーン、モーラムの歌姫アンカナーン・クンチャイ名盤再発。『(モーラム:モーは達人、ラムは声調に抑揚をつけながら語る芸能。つまり“語りの達人”で、その歌手とジャンル両方をさす名称。)』当時16歳だったというアンカナーン・クンチャイの独特のモーラムの節回し。ケーンやソーの民族楽器に、シンセサイザー等の電子音も融合された伝統的音楽。ダンス/舞踊の感覚があって亜熱帯の天然サイケデリックの魅力溢れる一枚。映画「バンコクナイツ」での占い師/シャーマン的役として出演し、啓示めいた語りがそのままラム(歌)になっていくシーンは深い印象を残す。 (サイトウ)
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ヘンリー川原、CD先行で発売になりました!マルチケース/36P ブック封入/特殊アルミ紙使用、この時代にCD3枚組という暴挙。気合に入り様。CDというメディア、その価値、存在、魅力を問うリリースでもあります。 (サイトウ)