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Fripp & Eno
Evening Star
Dgm Panegyric
- Cat No.: DGMLP2
- 2019-04-01
73年にリリースされた今作はA面B面に長編一曲ずつ収録された実験作。72年に録音されたA面「The Heavenly Music Corporation」は当時のKING CRIMSONのライブオープニングにも流されFRIPPのお気に入りでもあったよう。イーノのサウンドはアンビエントの先駆けである瞑想的な深いサウンドであり、それに乗るフリップのギターはロック的でありながらもオープンリールを2台使った特殊なテープループを使う録音方法を使っているようで変わった空間的エフェクトが印象的。それも丸くサステインの伸びがあるギターサウンドがシンセサイザーとの相性がバッチリで素晴らしい。B面のイーノはアバンギャルドなシンセサイザーですが、フリップのギターアルペジオと一緒に聴くことでラーガのような雰囲気になっているのも面白い。これが発売された同年はKING CRIMSON「太陽と戦慄」の発売、そしてENOがROXY MUSICを脱退する時期であり、LA MONTE YOUNGの「The Theatre Of Eternal Music」やTERRY RILEYの「Persian Surgery Dervishes」もリリースが近い年代であるという事の関係性のことなども考えてしまう。 (日野)
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まずやはり素晴らしいのがアルバムの最初を飾る名曲「Wind On Water」。煌く滝の光の反射のごとくFRIPPのギターのテープループが美しく、そこにそっと添えるENOのシンセやギターの上モノが彩を加えています。続くタイトル曲Evening Starもギターのハーモニクスとピアノの延々としたアルペジオループを基盤とし、タイトル通り太陽が沈む前の穏やかな時間のようなスピリチュアルさを持つ素晴らしい曲。この2曲を長編にしてA面B面に1曲ずつ収録しても素晴らしいものになりそう。しかしその後のアンニュイに、そしてじんわりと良さを噛み締めるようなEvensong、そしてA面を締めくくるWind On Windの流れも完璧。因みにそのWind On Windは同年にENOが発表したDiscreet Musicを短くアレンジした曲となっているようです。そしてB面を丸々埋める大作An Index Of Metals。A面と対照的にマイナーな音階と明るめな音色を組み合わせが後に来る夜を表現しているようなサウンドであり、この曲があることによってアルバム全体の趣を深いものにしていると感じます。 (日野)