今作でのプロデュースは前作『H』に引き続き高橋幸宏。前作の延長線上にありつつも、サックス・アンサンブルをより突き詰めながら、レトロ・フューチャーな架空のSF映画のサウンドトラックというコンセプトと、本人が幼少期に聴いていた童謡に覚えるノスタルジー郷愁イマジナリーな世界観とが混交する唯一無二のポストモダン・クラシカル現代音楽的アプローチと、奇才David CunninghamによるThe Flying Lizardsにも通じるスカスカ・ファンキー実験性ニューウェイブ・ダビーな世界観と通じるのも面白いモダン・インストゥルメンタル・アルバムとなっている。そして、次回作「Mr. Techie & Miss Kipple」につながっていくYMO的テクノ回帰な音作りも非常に興味深い。B2「ARRANGEMENT 」は坂本龍一、B5「THEME FROM "NIHON NO SUGAO”」は冨田勲のカヴァー。 “テクノポップ御三家”の1つと謳われたプラスチックス解散後、1982年のソロ・デビュー以来40年以上、音楽のみならずグラフィックアートの分野でも活躍を続ける立花ハジメ。2025年1月のオールタイム・ベスト盤『hajimeht』に続き、YEN時代の名盤『H』『Hm』をCD/LPで同時リイシュー。いずれも砂原良徳によるリマスタリングが施されている。
Sabres of ParadiseやThe Orbを彷彿とさせる9分間にわたりストーリーテリングされるシネマティック・ドリーミー・イマジナリー夢見心地の豊かで深い安らぎ内省的エレクトロニック音世界。スケートボードとサウンドマシンを愛するオーストラリア出身プロデューサー才人Nathan Nisbetによる自身レーベルからの限定200枚・45回転12インチ・アナログ盤。
BPM142(71)プログレッシヴに織りなされるシンセサイザー導入からボサノヴァ・プリセット・リズムからUKGブレイクス軽やかに牧歌的シンセサイザーの響きと共に導かれるシネマティック・ドリーミー・イマジナリー夢見心地の安らぎエレクトロニック音世界Side-A「How Did You Get That Scar?」(sample1)、そして、同じくBPM142ほど、DIYチープ・エフェクティヴ/バレアリックにキュート・ダブワイズさせたローファイ・インディーロック・エレクトロニカ・プロトパンク仕様に自身でリミックスを施したSide-B「How Did You Get That Scar? Proto Punk Version」(sample2)が個人的にはなんとも最高すぎるのです!!(この時代にフロア仕様でこの感触はひそかになかなか無いかもです。しかも7分14秒!) (コンピューマ)
細野晴臣氏の音楽から多大な影響を受けてきた海外と日本のアーティスト達が、今もなお渾然と輝き続ける『Hosono House』のソロデビュー作の楽曲を再解釈しリメイクしたカバー曲を全13曲収録。 細野晴臣が1973年に発売した1st album「HOSONO HOUSE」。今もなお日本のみならず世界各地で大事に聴かれ続けているポップミュージック史に残る1枚にして、グラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞したハリー・スタイルズの「ハリーズハウス」は、「HOSONO HOUSE」から着想した作品とのことだったりと、国内はおろか、世界各地の新しい世代にもその音楽や存在がミームされ受け継がれている。 そんな名作の発売から50年を記念したカバーアルバム「HOSONO HOUSE COVERS」。日本のみならず世界各地より細野晴臣を敬愛する素晴らしいアーティスト、バンドが愛ある素晴らしいカバー曲を提供してくれており、今もなお渾然と輝き続ける「HOSONO HOUSE」の魅力にまた新しい側面を与えてくれるカバーアルバムになっている。 参加アーティストは、海外からMac DeMarco、Sam Gendel、John Carroll Kirbyなどや、日本からもコーネリアス、TOWA TEI、mei ehara、安部勇磨 (never young beach)などが参加。こちらのStones Throw海外盤2LPには、同レーベル所属の、A1. Pearl & The Oysters「Koi Wa Momoiro」(sample1)とB2. Jerry Paper「Bara To Yaju」(sample2)の楽曲もボーナストラックとして2曲限定収録。この2曲が収録されている事と、曲順が全く違うことによって、国内盤LP「HOSONO HOUSE COVERS」とは、全く違う印象に聴こえてくるのも非常に興味深い。 ジャケットのアートワークは、画家・五木田 智央氏がペインティングで制作。パッケージもオリジナルLPからインスパイアされた内容で、帯や貴重な当時の細野氏の写真も収録したインサート、インナースリーブも同封。2LP 45rpm ヴァイナルのマスタリングはNYのJosh Bonatiが担当。 (コンピューマ)
STONES THROWから、現在L.A.で活動しているフランス出身のインディーポップ・デュオ Pearl & The Oystersのデビューアルバム!ユニークな電子音楽。キャッチーなサイケデリック・ポップ・ミュージック。L.A.はじめUSのインディペンデントシーン、オルタナティヴ・カルチャーが面白い。
シンセサイザー、マルチ・インストゥールメンタル奏者、Joachim Polackと、シンガー Juliette Pearl Davis。フランスからL.A.に活動の拠点を移してSTONES THROWと契約、来日公演も話題を呼んだデュオ。Y.M.O.など日本の音楽、カルチャー、楽器からも多大な影響を受けたというシンセポップ/ドリームポップ。ユニークプロダクション。Laetitia Sadier(Stereolab)をフィーチャリングした「Read the Room」も収録。旧作もインディーポップ・ファンにカルト人気になってますが、〈Stones Throw〉からということでより幅広い層にアピール、Bruno Pernadasに続くような人気となりそう。推薦! (サイトウ)
架空のコンセプトではなく、どうやら本当に駅でのライブ盤のようです。ジョージ・カーリンの著書『When Will Jesus Bring The Pork Chops?』の序文の朗読を駅のアナウンスで許可された?という妙なエピソードも。以下はそのフレーズ。Cosmic Love(sample 1)の冒頭で確認できます。
今作は、地元ワイト島の伝説的サーファー・レジェンドDave Grayの人生と芸術、哲学にインスパイアされたという、サーフィンとサーフ・カルチャーの様々な側面を深く探求して音楽へとアプローチした、チルアウト・バレアリック・フュージョニック・クロスオーバー・サイケデリックな、シンセサイザー・ニューエイジ・モダン・ソウルジャズ・メロウ・ダンスグルーヴとでも呼ぶべき新たなジャズの領域と可能性を感じさせてくれる素晴らしきコンセプト・アルバム作品となっている。自身によるグランドピアノ、フェンダーローズ・ピアノ、各種シンセサイザー、そして、ドラム、ベース、テナーサックスによる4人のメンバーによるアンサンブル、プラス、Forest Lawの歌声をフィーチャーした珠玉心地いい、Greg Foat流のフロア・サウンズとリスニング・ミュージックの狭間を模索する9トラックを収録。推薦盤とさせていただきます。
Research発Mildlifeを思い出させてくれるかのような極上グルーヴも感じさせてくれている。 (コンピューマ)